谷 好通コラム

2020年09月12日(土)

9.12.誰にも見られず数千羽の鵜の山

知多半島の先の方にある「美浜」に「鵜の池公園」があります。

昔からここには野生の「鵜」の群れがいて、
ちょっとした大きさの池の周りの森には、巣がいっぱい造られ、
集団で子育てをする”コロニー”がありました。
このコロニーには鵜が数千羽もいて
規模が大きく何十年か前に本物の「天然記念物」に指定されたのです。

しかし地元は、これを観光資源にしようとして、
池の周りを大規模に開発して名所「鵜の池公園」とした訳です。
しかし、この工事のせいかどうかは分かりませんが、
鵜の集団は揃って隣の山に引っ越してしまい、
鵜の池にはほんのちょっぴりの鵜が残っただけで、
それを知らない客が鵜の池を見に来ても、ほんの数羽の鵜がいるだけで、
みんながっかりして、
つまらないものを見に来てしまったと後悔するのでしょう。

ところが、その隣の大して大きくもない山に、
数千羽の巨大な野生の鵜のコロニー「鵜の山」があって、
都会に遠くない所にある見事なコロニーは正に自然の逞しさです。
私がそれを知ったのは、
50年ほど前、高校を卒業するころ、
日本エッセースト賞作家ムツゴロウこと畑正憲氏の
受賞作「天然記念物の動物たち」という本を読んで知りました。
だから、私は、
観光地となって鵜がほんの少ししかいない「鵜の池公園」を通り過ぎて、
本物の巨大なコロニーの方の場所を知っていて、
何度も何度も足を運んで、
心を許した友人、あるいは恋人を連れて、あるいは一人でも何度も何度も通い、
無数の自然の鵜の営みの中で長い時間を過ごしたものです。
鵜の鳴き声はギャーギャーとうるさくも、私にとっては至福の時間でした。

しかし、
起業して独立してから私はほとんど休みを持たなかったので、
鵜の山に行くこともなくなりました。

久しぶりに今日行ってみたのですが、
「鵜の池公園」はまだありましたが、
本物のコロニー「鵜の山」に行く道は分からなくなっていました。
多分誰も行かないので、
道の草がぼうぼうになっているだけだとは思うのですが、
その道はとうとう見分けがつかなくなっていて、鵜の山には行けませんでした。

だけど、あの数千羽の野生の鵜の鳥たちは、
昔と変わらないコロニーで数えきれないほどの小鳥を育てているのでしょう。
間違いなく居るはずです。数千羽の鵜たちは。
それはそれで、いいと思ったのでした。

でも今日も「鵜の池公園」には数羽の鵜が泳いでいたのです。

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代表取締役会長兼CEO

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キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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