2009年09月13日(日)
鹿児島の城山の下まで [漫遊]
鹿児島市のSSを訪ねた。
鹿児島までは、東京からであれば飛行機を使うのが一般的である。もちろんそれが一番速い。
しかし、私は電車オヤジであるわけで、やはり鉄道に目が行ってしまうのは仕方が無い。
私にしては珍しいことであるけれど、2004年に部分開業した九州新幹線に、一度も乗ったことがない。
これはたいへん無念なことであるので、この機会に鉄道で東京から鹿児島まで乗り通した。
昔の寝台特急(ブルートレイン)はやぶさならば、およそ24時間かかった道中である。
それを、
東京〜博多 東海道山陽新幹線のぞみ
博多〜新八代 JR九州在来線特急リレーつばめ
新八代〜鹿児島中央 吸収新幹線つばめ
2回乗り換え、乗り継ぎ時間を含めて、およそ9時間。
飛行機なら前後のアクセスを含めて4時間ほど。
2倍以上の時間がかかる。
となると、九州新幹線全通時、東京からの直通客はどれほど確保できるか不安である。
それを見越してか、新大阪発の鹿児島中央行きがメインになるらしい。
これだと4時間。
4時間というのは、移動手段に飛行機か鉄道かを選ぶ場合の判断の分かれ目になる時間だそうだ。
4時間ならば新幹線が勝つという例が多いという。
なんとなく頷ける話だ。

JR九州というのは、おそらく明瞭な意思があるのだろう、鉄道会社が持つ、最もお客様に身近である商品としての鉄道車両を強烈に印象付けることによって、鉄道復権の足がかりにしてきたように思える。
そのため、JR分割してから同社が発注した車両は、どれもかなり変わったデザインであるし、それはうん、これは乗ってみたいなぁと、おそらく鉄道愛好家に限らず思う人が多いのじゃないかと思う。
これは、その第二代目の九州オリジナル787系。
まるで東宝映画のゴジラシリーズで出てきたメカゴジラのような面構えである。
しかも車体の塗装はガンメタ。
ぎょっとする反面、うわっ、かっこいい、と、私などは速く乗りたくてたまらなかった車両だった。

これは特急用車両としては第4代め。
885系。
長崎行きのかもめ用に作られたところ、たいへん性能がよく、また、皮シートと木の調度という豪華な車内が評判で、いまは大分行きのソニックとしても運用されている。
イモムシみたいなスタイルだけど、見ようによると宇宙船ぽくもある。
JR九州の特急車両は、この885系とその前の883系ともに制御振り子方式を採用して曲線通過速度を規準より上げている。それで到達時間がぐんと早くなって、高速バスと競争できるようになったのだ。
スタイルだけではなく、鉄道の先端技術を積極的に取り入れているというのも、愛好家としては興味がそそるのである。

南半分しか開通していない九州新幹線に乗るために、博多〜接続駅の新八代までは、メカゴジラのリレーつばめに乗り、新八代駅ホームで反対側に止まっている新幹線に乗り継ぐという仕組みで、事実上一つの列車として扱っている。
しばらくは、懐かしいメカゴジラ特急に座って、再来年の開通に備えて工事が進んでいる、九州新幹線の北部分と並行しながら走る、その高架線を眺めることになった。
この新幹線ができると、今までもそうであったように駅の姿ががらりと変わり、まあだいたい似たような駅になってしまう。
いかにも古い大駅という風情の熊本駅も、だいぶ高架工事が進んでいて、ホームの数も減っていた。
昔はあのたくさんあるホームのあちこちで蒸気機関車が煙を吐いていたのだと思うと、ちょっと寂しくなる。

熊本駅から20分もかからずに、新幹線接続のために作られた新八代駅に着いた。
乗り換え時間は2分だという。
忙しいな、と思うけれど、なに、ホームの幅10メートルちょいを歩けば新幹線の中なので、2分で充分なのだ。
この800系という新幹線車両は、N700系という東海道山陽新幹線の最新車両をベースに、一部変更した車両である。
だからまあ、よく似ている。
速いし揺れないし、新しい軌道の良さもあってたいへん快適だ。
それに、何と言っても室内が素晴らしい。

新幹線と同じ大きさの車両だから広い。
その広い車両に、通路を挟んで2列+2列のシート配置だから、たいへんゆったりしている。
ゆったりさだけならグリーン車並みで、だからグリーン車は連結されていない。
シートは、木製の骨格に、和風のデザインを染め上げたシート生地をコーディネイト、偶数号車と奇数号車は、それぞれ青みの勝ったシートと赤みの勝ったシートで統一されている。
ふかふかふか、という座り心地ではなく、柔らかだけどもピシッと支えられている、という感じの、デザインは優雅だけれど機能的なシートのように思った。
とはいえ137.6キロ、わずか43分の旅は、トンネルばかりということもあって、アッという間に終わってしまった。
乗り心地も何も、本当にじっくり味わう暇も無かったのである。
速すぎるのね(笑)。

むかしの西鹿児島駅が名前を変えた鹿児島中央駅。
在来線とは直角に、直前まで走っていたトンネルから飛び出したらもうそこが中央駅だった、という感じで到着した。
もうこれ以上は南へは新幹線は伸びない。
この奥の塀が、日本の新幹線の最南端となるわけだ。
その向こう、当然駅前ロータリーの向こうにあるのだけれど、その正面のビルの背後には、鹿児島といえば桜島、山の色が七色に変わるというその時間に到着した。
じっくり観ることはできなかったけれど、やっぱり久しぶりに見る桜島は懐かしく、ちょっと感動したのだった。
Posted by 大貫紀彦 at 23時15分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
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